2026年05月08日(金)

梅について

やっと花粉の時期もピークを過ぎ、風薫る五月になりました。ここ2週間ほどは雨が降ったり、夏のように暑くなったり、かと思うと急に冷え込んだり、陽気が不安定でした。それに伴い同じ風でも「5月の薫る風」ではなく、「風邪」で来院される方がとても多かったです。これからは陽気が落ち着くようなので、ピークは過ぎるはずですが、皆様どうか体調には引き続きご留意ください。


☆梅について
そろそろ梅酒をつける時期かな・・・と、思っている方もおられるでしょうか。梅は「バラ科」に属する落葉性の植物で、毎年1~2月頃、その前の年に葉が生えていたところの脇に、その年の葉に先駆けて2~3個の花が咲きます。同じ木にある花粉同志では受粉しないという性質があるため、梅には雑種が多くできます。日本人にとって大変親しみのある梅ですが、ルーツは大陸中国にあります。つまり中国から古来伝来してきたわけですが、実は最初は薬として輸入された歴史があります。梅の生薬名を「烏梅(うばい)」といいますが、5世紀に書かれた中国の薬学書に、「烏梅」の薬効などが記載されています。青梅を煙で燻製にしたものが「烏梅」なのですが、これを煎じて胃腸薬や風邪薬として用いていたとのことです。現在「烏梅丸(うばいがん)」という漢方薬も漢方専門薬局などで売られていますが、胃腸の調子を整え、熱を下げる作用があるようです。そこまでしなくても普段食している梅干にも、勿論多くの薬効があります。唾液や胃液の分泌を促す効果に優れていますし、多少ですが解熱、鎮痛作用などもあります。このシリーズでも一度紹介したと思いますが、梅エキスはさらに優れものです。梅の学名は「プルムス・ムメ」と言うそうですが、これはかの有名なシーボルトが、梅は日本に自生する植物と思い込み、日本語の「ウメ」にちなんで命名したことに由来するそうです。
西湘地区の梅は大ぶりで、色合いもよく、昨年は南足柄市の道の駅「金太郎」で梅を大量に購入し梅酒を漬けました。毎日ちびちび飲んでいます。
 
☆「シミ」の話し
以前の「患者の皆様へ」でも多少触れましたが、五月は結構紫外線が強い季節です。「シミ」の原因となる紫外線。中でもUV-A光線は皮膚の真皮という部分まで入り込み、そこで活性酸素を発生させ細胞を傷つけます。もう一つがUV-B。こちらは皮膚表面の細胞を攻撃します。攻撃を受けた皮膚細胞は紫外線に対して防衛反応を示します。これがいわゆる「日焼け」です。「日焼け」は皮膚のメラノサイトという細胞が、紫外線の刺激を受けた後皮膚を守るためにメラニンという色素を作り出すことで、紫外線を跳ね返そうとする反応の現れです。しかし紫外線の量が多かったりしてメラニンが皮膚細胞をガードしきれないと、細胞が傷ついてしまいます。これを繰り返していると傷ついた細胞が「シミ」に変化するのです。「シミ」には大きく二つのタイプがあり、ひとつは日焼けで20代に出現するタイプ。もう一つが日焼け後何年も経ってから発生するタイプです。紫外線をどれだけ浴びると「シミ」ができるかは個人差がありはっきりしませんが、肌が元々白い色白の人、紫外線を浴びるとすぐ赤くなりやすい人は、メラニンを作るメラノサイト細胞が少ないので要注意です。一度できてしまった「シミ」は基本的には治らないと言われていますが、それでも何とか・・・という方には、ベータカロチンがお勧めです。ベータカロチンには活性酸素を除去する働きがあるので「シミ」にも有効で、さらに皮膚の新陳代謝を高める亜鉛と合わせて摂取すると効果的でしょう。それと「四物湯(しもつとう)」という漢方薬も期待できます。時間はかかりましたが、「シミ」の改善を希望された60代のある女性に「四物湯」を処方したところ、多発していた「シミ」が薄くなった経験があります。この薬には血行を促進し皮膚や髪を潤す作用がありますが、「シミ」という病名で保険適応も取れています。ただし即効性はないので少し長い目で見てください。
※「四物湯」以外にも「「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」という漢方薬も「シミ」や「にきび」に効果的です。漢方では血流が悪い「於血(おけつ)」という状態になると皮膚のトラブルが発症すると考えています。「桂枝茯苓丸」は中国では「治於の小剤」と呼ばれています。「於血を治す手ごろで使いやすい薬」という意味で、2000年前から長く飲まれている有名な漢方薬です。
 
☆健康に欠かせない牛乳とヨーグルト
カルシウムが骨の健康維持に欠かせない栄養素であることは誰でも知っていることでしょう。そしてそのカルシウムが豊富な食材といえば牛乳です。実際牛乳をよく飲む習慣のある民族は背が高く、骨太の骨格をしています。日本人は以前ほどではありませんが、食塩の摂取量が多いですが、食塩を取りすぎると、体内のカルシウムが尿とともに体外に排出されてしまいます。そのため「骨粗しょう症」が起こりやすくなります。今ではこの「骨粗しょう症」が寝たきりになってしまう大きな原因として注目されていますが、そうした状況を予防するためにも、食塩の摂取を減らし牛乳を飲んだほうがいいでしょう。牛乳は骨だけでなく、血管にもよい影響を及ぼします。牛乳に含まれるカルシウムとたんぱく質が血管を丈夫にし、脳血管障害を予防するといわれています。ある報告によると「脳卒中ラット(遺伝的に100%脳卒中を起こすラット)」を使った実験で、ラットに濃度1%の食塩水を与え続けると短期間に脳卒中を起こして死んでしまうのに、牛乳のたんぱく質やカルシウムを一緒に与えると、なかなか脳卒中を起こさず、約5倍長生きすることが証明されたそうです。骨を丈夫にし健康で長生きするため牛乳を摂取しましょう。
牛乳以外の乳製品ならやはりヨーグルトもお勧めです。ヨーグルトは腸内の善玉菌を増やす働きがあり、体の外から入ってくる菌が繁殖するのを抑えてくれます。つまり感染症にかかりにくくなり自己免疫力もアップし、ヨーグルトを食べてると風邪をひきにくくなるとも言われています。それどころか抗がん作用もあると報告している研究者もいるほどです。
中央アジアのコーカサス地方は脳血管障害やがんが少ないことで有名ですが、ヨーグルトを大量に摂取する習慣によるものと考えられています。またアフリカのマサイ族は牛乳を発酵させたヨーグルトに近い食材を主食にしています。マサイ族はマラリアなどハエや蚊が媒介する伝染病が多い環境で生活していますが、それでもあまり病気にかからず元気でいられるのは、毎日大量の発酵乳を摂取しているので、免疫力が高められているからかもしれません。
私も毎日「飲むヨーグルト」を摂取しています。しかしそれ以上に「梅酒」は勿論、「焼酎」「ワイン」も同時に摂取しているので、健康効果が打ち消されているかもしれません・・・。
 
☆6月から水曜日は新任医師が担当する予定です。詳しくは追ってお知らせ致します。
☆前回もご案内しましたが、風邪の方などが予約外で受診されたり、他院通院中の方が当院への転院を希望され受診される方も増えており、とにかく待ち時間が長めです。予約通りに診察が始まらないことも少なくないので、何卒ご理解ご了承下さい。
 

2026/05/08 16:57 | 未分類

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