2024年12月23日(月)

みかん、おかわり!!

韓国の首都、ソウルには食品を扱う市場がいくつもあります。商品が山積みされた露店が雑然と並び、とても熱気にあふれています。漢方食材のみを扱った市場(京東市場:キョンドンシジャン)もあり、その界隈は漢方独特の香りで町全体が包み込まれているようです。中でも「陳皮(ちんぴ)」はとても良い香りがします。「陳皮」とは、みかんの皮を日干しにして乾燥させた物です。胃腸の働きを高め、気の巡りを整え、さらには風邪の予防や咳や痰を治す効果もあり、漢方治療には欠かせない生薬です。「こたつでミカン」が日本では冬の風物詩としてすっかり定着していますが、ミカンは日本固有の果物ではなく、実は今から1200年前に中国から伝来したと言われています。最近では何とその薬効から欧米でも脚光を浴びています。ミカンと言えばもちろんビタミンCが有名ですが、その含有量はレモンやキウイ、イチゴに比べるとかなり少なく、約3割に満たないとのことです。ちょっと意外ですよね。
しかしミカンにはビタミン以外にも健康増進に有効な成分がいくつも含まれています。
ミカンを食べると甘酸っぱい味がすると思いますが、その酸っぱさの正体は「クエン酸」によるものです。「クエン酸」は体内に蓄積した乳酸などの物質を処理し疲労回復にとても有効です。さらに最近の研究では「βクリプトキサンチン」という抗癌作用のある物質が含まれていることが証明されたようです。この物質は発がん物質から正常細胞を守る働きがあるようで、今後さらなる研究成果が期待されます。
もしミカンを食べるときに白いすじをきれいに取り除いているようでしたら、早速今日からそれはやめましょう。なぜならそのすじの中にもペクチンという食物繊維と、ヘスペリジンというビタミンP物質が含まれているからです。これらは血管を丈夫にしたり、血圧上昇を防ぐ効果があるようです。ミカンは皮ごと、すじごと食しましょう。
また、陳皮にはノビレチンという物質も含まれており、これは喘息の体質改善やC型肝炎の肝機能回復に有効との報告があります。恐るべしミカン・・・といったところでしょうか。

韓国のある地方では「ミカンが色づくと医者が青くなる」と古くから言われているようです。きっとミカンの薬効を経験的に知っていたのでしょう。

甘酸っぱいミカンを1つと言わず、2個、3個・・・多分私は青くなどならないので(笑)季節の恵みを存分に味わって下さい。
陳皮が配合されている漢方薬は、有名なところで「六君子湯(りっくんしとう)」「釣藤散(ちょうとうさん)」「香蘇散(こうそさん)」などがあります。
 

2024/12/23 10:10 | 未分類

2024年12月19日(木)

秋と言えば「酒」、ではなくサケ(鮭)を食しましょう!!

サケは、鮭しゃけ、トキシラズ、アキアジ、サーモンなどいろんな呼び方がされる魚です、サケと言う呼び方は、アイヌ語の「サクイベ (夏の食べ物という意味)」や「サットカム (乾魚という意味)」が語源のようで、御存知のように、日本では北海道、海外ではアラスカなど北の海で捕れる魚です。日本人はサケが 大好きで、世界のマーケットもそこを狙って輸出攻勢をかけてくる程のサケ消費大国です。特にチリやニュージーランドで養殖されたものが多く輸入されているようです。なぜ日本人はサケが好物なのでしょうか。普段何気なく食べているサケの健康栄養効果について解説してみましょう。

日本の食卓に欠かせないサケには3大栄養効果があります。

(1)サケの身は綺麗なサーモンピンク色をしていますが、実はサケは赤身の魚ではなく白身の魚です。では何故あのような色をしているのかというと、「アスタ キサチン」という色素成分が関わっています。この色素成分である「アスタキサチン」に栄養効果が豊富に含まれており、中でも活性酸素を処理する抗酸化物 質としての効果が優れています。体の疲労や老化には活性酸素が関与していることは今までも解説してきましたが、サケは「アスタキサチン」が含有されていることで「スーパーアンチエイジングフード」として注目されています。この「アスタキサチン」はエビやカニの赤い殻の部分、タイや金目ダイの皮の部分にも含まれていますが、量が少ないですし、特に殻を食べる訳には中々行きません。身の部分に「アスタキサチン」が含まれているのは、魚類ではサケだけです(サケの卵である「イクラ」にも「アスタキサチン」は含まれています)。ある研究によると「アスタキサチン」の抗酸化効果は同じ抗酸化効果のあるビタミンCの、何と6000倍も強力ということです。しかもメラニン色素の発生を防いだり除去する効果もあるようで、つまり美肌効果も期待できるので、女性の敵であるシミや肝斑にもお勧めです。
 

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2024/12/19 16:00 | 未分類

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